第5回アジアフォーラム開催、中国広東省広州市で

 

開催日:2008年5月29日(木曜日)〜30日(金曜日)
所属名:国際協力委員会
場所:中国広東省広州市花園酒店

香港ビジネス協会世界連盟が主催するアジアフォーラムが中国広東省広州市で2008年5月29日〜30日に開催されました。アジアフォーラムは、2004年ベトナムのホーチミン市で開催されたのが最初で、タイのバンコク(2005年)、シンガポール(2006年)、ホーチミン市(2007年)で開催され、今回初めて中国本土の広州で開催された(次回は、バンコクで開催することで合意)。最初のプログラムの「経験交流会」では、開催地のメンバーである香港商工会議所広州事務所長のSonny Doo氏から香港商工会議所広州事務所の活動について「1993年北京と上海に香港商工会議所設立、2000年に香港商工会議所広州事務所設立。 会員数900名。香港企業と中国当局との橋渡し、合弁企業設立支援などが主たる活動」との報告あり。

続いて、HK-Singapore Business Association のBenney Cheng氏が「HK-Singapore Business Associationは、 1994年設立、会員数130名:シンガポールと香港は産業面で競合関係にある。会員はシンガポール人に限定されていない。日本香港協会の活動を評価し、かつ参考にしている。」と説明。HK Business Association, Vietnam のRaymond Cheng 氏が「HK Business Association, Vietnamは、会員数250名 うち 50%が香港人。ベトナムは昨年海外からの直接投資のホットスポットであった;製造業と不動産投資が多かった。18%の金利、25%のインフレ。為替切り下げのうわさがあったが実施されなかった。機関紙の発行はないがWebsiteを活用している。」と説明。日本香港協会東京本部の五味副理事長が今年は日本香港協会が東京に設立されてから20年目の記念すべき年であり、機関紙「飛龍」の発行、セミナーの開催、各種文化活動、広東語教室は協会の収入の底支えとなっていること、インターネットホームページの活用等を紹介。5月23日には沖縄支部が発足式を行い、北は北海道から南は沖縄まで9拠点となり「日本と香港の架け橋」としての機能が充実しつつあることを説明。続いて関西日本香港協会の戒田事務局長から5年前にChinese Management & Marketing School(CMMS) を開講した、年間30回の講義。15回は香港大学、中国人民大学を含む教授が講義。今年は35名がCMMSに参加している。集中講義の開講も検討しているとの説明あり。

Thai-HK Trade Association の Charles Cheung氏が、100年以前にThai Chamber of Commerceが設立され、FDIの相談をはじめとしてすべからくTCCが一義的に役割を担っている。さらにTCCは中国大使館とも緊密な連携をとっている。さらにChinese Enterprise Associationがタイに進出した中国企業を支援している。その結果、THKTAは香港企業がターゲット。会員数は個人会員も含め80名。タイへのFDIは50%以下の合弁比率に限定されている。と説明し第一部の「経験交流会」を終える。

続いて外部から講師2名を招いて「我々外国企業は中国の挑戦と政策の変更に対し如何に取り組んで行くべきか」と題してOnlen Fairylad(HK)Co. Ltd.のCEOであるEddie Lam氏の「中国は世界の工場といわれるまでになったが、   賃金上昇で労働から省力化設備へのシフトを実施、アウトソーシングも増加、製造業は中国以外に製造拠点をシフトするところも出現。」という説明と、AC Nielsen (GuangZhou)Ltd.のMatthew AU氏の「中国市場の最新分析結果」の発表あり。

昼食会では、広東省対外貿易経済合作廳外商投資促進處の陳越華處長の「廣東省の最近の発展と投資機会について」の講演あり。
昼食後は、広東省東莞市にある玖龍紙業(控股)有限公司(Nine Dragon Paper (Holdings) Limited)の工場見学。玖龍紙業(控股)有限公司は、中国最大の容器用板紙製造企業。2006年3月3日香港株式市場に上場。「企業の社会的責任と企業の発展は共に達成可能であると信じている」「初期的段階から環境保護に巨額を投資」世界中から高精度の設備を導入し、工場は無人化。「何故、広東省東莞市に工場を設立したのか? 東莞市といえば、労働集約的委託加工業が多いと思っていた。」との質問に対し、「サプライチェーンマネジメントである。」との回答。中国は実践的学問として近代経済学を採り入れていると感じた。極めて印象深い工場見学であった。

各地からの参加者は異口同音に「今回のアジアフォーラムは大いなる成果があった」「フォーラムは各地の経験を発表し、相互に意見交換することにより情報交換の場を提供してくれた」「工場見学では広東省東莞市に対するイメージを一変させるほどの強烈な印象を持った。中国は急速に余剰労働力が減少してきており、安い労働力を狙いとする直接投資はある部分では存続するかもしれないが、いずれ見直しが迫られることとなることが実感された。環境保護に対しても無頓着ではいられない」などが語られ、各自がこのフォーラムの経験を活かすことが重要であると確認しつつ解散し、各地への帰路につきました。

(*印のある写真は五味撮影、*印のない写真は香港ビジネス協会世界連盟提供)

参考:
http://www.hkfederation.org.hk/forum/asia2008/report.htm


Mr. Sonny Do

Mr. Benney Cheng

Mr. Raymond Cheng

NPO日本香港協会五味副理事長

関西日本香港協会戒田事務局長

Mr. Charles Cheung

アジアフォーラム「討論会」

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