アジア ユース オーケストラ2008

 

開催日:2008年8月10日(日曜日)/11日(月曜日)
所属名:文化交流委員会
場所:すみだトリホニーホール/東京芸術劇場

アジア ユース オーケストラ(AYO)の夏は、例年アジア各国からオーディションによって選ばれた17才から27才迄の100名に上る若き演奏家達と関係者全員の熱い想いで心はざわめき躍る。

芸術監督兼指揮者のリチャード・パンチャスは、毎年1月から3月にかけアジア各国を訪ね、音楽大学の専任教授と共に厳しいが心温まるオーディションを行う。その応募者は2,000人から2,500人に及ぶ。よくぞ19回も回を重ねてきたものだと感心すると共に、その労苦に対し頭が下がる。

アジア各国から選ばれた団員は、言語、宗教、政治体制、慣習等など全てが異なった環境で育った若者であり、短期間でオーケストラを結成しハーモニーを仕上げて行くのは至難の技である。そんな中で、寸暇を惜しんでのツアーコンサートのための各国演奏訪問先との折衝。7月には香港での三週間以上にも亘るリハーサルキャンプ。8月の各国・各都市への演奏旅行。一年間はあっと言う間に過ぎ去り、繰り返されて行くのである。「根気よく、何故続けて行くことができるのだろう?」と感心ばかりしてはいられない。それには理由がある。

アジア各国の若い演奏家達が友情と連携を通して一つのオーケストラとなって素晴らしいハーモニーを奏でる事によって、アジア・世界の平和に貢献すると言う素晴らしいAYO設立の理念こそが、これまでの継続の根源と言えよう。又、個々の若い演奏家たちにとっては、このAYOでの経験こそが、これからの音楽家としての独り立ちする成長のための強力なビタミン剤と言えよう。 
   
2008年のAYO演奏ツアーは、当初の計画ではアメリカ8都市でのコンサートをも予定、最終公演は東京と決定していたがサブプライム・ローンに端を発した経済混乱・不況の影響で、米国ツアーはキャンセルとなり、全面的に変更せざるを得なくなった。加えて東京オペラシティコンサートホールの改修と重なり、東京でも代替会場の確保に苦労する事となった。

8月10日(日)すみだトリホニーホールでのコンサートは、日本香港協会の七夕パーティに相乗りし、協会会員にとっては初めてのコンサート付きパーティとなり大いに盛り上がった。また、11日(月)の最終日の東京芸術劇場でのコンサートも大盛況となり、聴衆の洗練された応援もあって会場全体が大きな感動の渦で満たされ、団員と聴衆が一体となって真夏の暑さを吹き飛ばした。翌日、若き演奏家達は、日本公演での素晴らしい思い出を胸に、次の公演地台北に向かって離日した。

近い将来必ずや世界に真の平和が実現することを信じつつ...
日本の夏ありがとう!

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