第13回 香港ビジネス懇話会

『中国市場における販売と香港を視野に入れた人材戦略』

開催日:2009年5月28日(木曜日) 15:00−17:00
所属名:ビジネス交流委員会
場 所:HSBC

日本香港協会(東京)では5月28日HSBCビル大会議室に於いて、第13回香港ビジネス懇話会を開催しました。

今回はNPO法人アジアITビジネス研究会理事長の浦上 清氏に『中国市場における販売と香港を視野に入れた人材戦略』と題し、約7年間の香港現地法人での勤務や、帰国後の各種のアジア関連研究所・研究会活動などでの深い経験と幅広い人脈を踏まえ、中国市場での販売活動の重要性とそれを支える現地の人材の活用・育成がポイントであると多彩なお話を披露していただきました。

講演では以下が説明されました。
①現在推進されているNPO法人アジアITビジネス研究会では、日本・韓国・中国・台湾などアジア各国よいところをつなぎ合わせ連携・共存を図ることが大切で日本企業単独でやるよりはるかにうまくいくという考えで活動し、日本での勉強会のみならず蘇州での展示会なども毎年開催しているとビジネス研究会の活動状況報告から講演会が始まった。

②日本企業の中国ビジネスはモノ作り主体の活動だけでなく販売活動が重要な役割を果たす新しい局面を迎えている。これまで以上に販売が重要になる時代には、それを支える人材がより求められるようになってくる。
 ●対中国直接投資の動向を中国商務省発表データなどで解説。
 ●中国に於ける販売ビジネスを日本企業の国際化の歩み、アジア事業の課題などの観点から取り上げ 
  ・中国事業戦略の構築(台湾企業を例にとった経営の現地化、グレーターチャイナ地域本社設立など)
  ・組織と人材(ビジネス人材の不足の現状と中華圏人材、アジア人材リクルートの増加)
  ・販売部門の役割(顧客のどこを攻めるか、業務オペレーションの確立)と販売活動への取り組み体制(欧米企業の例から国際協力をベースとした販売活動の実例)がが詳細にわたり解説されました。

③販売人材の育成のポイント
 ・「攻め(顧客開発)」と「守り(代金回収までを含む業務オぺレーション)のバランスのとれた営業マンを育成すべし
 ・人材採用と育成のポイント
 ・日本人駐在員の役割
 人材戦略面からも広範にわたって解説がなされました。

最後にまとめとして
1.アジア事業と中国事業の位置付け
2.中国市場志向の高まりと現地人材確保
  香港を代表とする幅広い中華圏人材の活用が重要
3.現地化手法の標準化      
の重要性を強調されました。

今回は出席者の皆さんより様々な質問が寄せられ、浦上氏より一つ一つ丁重にご返答いただいたので、参加者からは盛大な拍手で閉会となりました。

講師プロフィール:
1946年岡山県生まれ。1970年一橋大学法学部卒業。同年、㈱日立製作所入社
1975−1976年ロンドン大学留学、1989年―1994年日立アメリカ勤務(半導体担当副社長)、1995年から2002年3月まで日立アジア(香港)有限公司(董事総経理)。2004年4月から浦上アジア経営研究所代表。
2005年11月から特定非営利活動法人(NPO)アジアITビジネス研究会理事長で現在に至る。
元一橋大学客員教授(2006年度〜2008年度)          

挨拶をする戝前理事長

講義をする浦上氏

会場風景

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